「映像のクオリティの7割は絵コンテで決まる」とも言われるほど重要なのがストーリーボードと呼ばれる絵コンテ・構成表です。
絵コンテは撮るべきものが決まってる動画でよく使われます。反対に何が取れるか事前にわからないドキュメンタリーでは構成表がストーリーボードになります。
ドキュメンタリー動画制作における構成表のメリットとデメリット、書き方についてまとめました。
構成表とは?
ドキュメンタリー動画を制作する際、絵コンテ(Storyboard)よりも構成表がよく使われます。構成表は、各シーンの内容や時間経過、撮影のイメージなどを1枚のシートにまとめたもので、動画の流れや必要なカットを視覚的に把握するために重要です。
これにより、スタッフ全員が同じイメージを共有し、効率的に撮影を進められるようになります。
構成表のメリット
1. 全体像が簡単に把握できる
構成表を使うことで、動画の流れや構成が一目でわかります。シーンごとにどのような内容を撮影するか、どの順番で進めるかが視覚的に整理されているため、全体のイメージがつかみやすくなります。
2. スタッフ間のイメージ共有が容易
構成表はシンプルかつ具体的な形式で記載されるため、制作チーム内でのコミュニケーションが円滑になります。監督、カメラマン、音声スタッフ、編集者など、各スタッフが撮影の意図や流れを容易に理解でき、現場での無駄な時間を省けます。
3. 撮影シーンのシミュレーションが可能
構成表をもとに、事前にどのシーンをどのように撮影するかをシミュレーションできます。これにより、イメージどおりの撮影が可能になり、現場でのトラブルや撮り漏れを防ぐことができます。
4. 時間やコストの節約
構成表を用いて撮影の進行をしっかりと計画することで、無駄な撮影を避け、撮影にかかる時間やコストを抑えることができます。
構成表のデメリット
1. 柔軟な対応が難しくなることも
構成表に沿って撮影することは重要ですが、現場で予定外の状況が発生した場合、構成表にとらわれすぎて柔軟な対応が難しくなることもあります。予期しない状況への対応力を持つことが重要です。
2. 作成に時間がかかる
シーンごとに細かく計画を立てるため、構成表の作成自体に時間がかかることがあります。特に初めて作成する場合、詳細を詰めるのに時間がかかるかもしれません。
3. 撮影現場の変更に弱い
ドキュメンタリーでは、現場で予期せぬ展開が起きることが多々あります。事前に構成表を作成しても、状況が変わるとその構成が使えなくなる場合があります。
構成表の書き方(初心者向け)
構成表はExcelやWordで作成されることが一般的で、以下の項目を含めて作成します。
1. シーン番号
シーンごとに番号を振ります。これにより、どのシーンを撮影しているのかがすぐにわかります。
2. シーンの内容
各シーンで何が行われるかを簡潔に記述します。例えば、「インタビュー開始」「現場の様子撮影」など、撮影する内容を具体的に書きます。
3. 時間経過
そのシーンがどのくらいの長さになるかを推定します。編集後にどの程度の時間が割かれるかを考慮して記載しましょう。
4. 映像のイメージ
どのようなカメラアングルや構図で撮影するかを記載します。これにより、カメラマンや撮影スタッフが映像のイメージを共有できます。
5. 必要な機材や注意事項
特別な撮影機材が必要な場合や、撮影時に注意すべき点があればここに記載します。例えば、「ドローン撮影が必要」「照明は自然光を使用」など、具体的な指示を含めます。
まとめ
構成表はドキュメンタリー動画制作において、スタッフ間でイメージを共有し、撮影を円滑に進めるための重要なツールです。全体像を把握でき、効率的な撮影計画を立てるために役立ちますが、柔軟な対応力も求められます。初心者でもExcelやWordで簡単に作成できるため、積極的に取り入れてみましょう。