知らないと損 編集 がラクになる 撮影法

動画制作では、撮影した素材を使って次の編集段階に入ります。ここで重要なのが”編集のしやすさ”です。編集のことを考えていない素材は探しにくかったり、つながりにくかったりすることから、仕上がりに時間がかかります。

けっこうこれはストレスになるため、編集を意識して撮影することが予防につながります。スムーズに進行できるだけでなく、映像のクオリティも向上します。今回は、編集を考慮した撮影方法について初心者向けに解説します。

知らないと損 編集 をラクにする 撮影法

1. 多めに撮影する(バリエーションを確保)

編集時に使える素材が少ないと、映像の流れに制限が生まれます。例えば、シーンが急に切り替わったり、繋ぎが不自然になってしまうことも。これを避けるために、同じシーンを複数の角度やフレームで撮影することが大切です。

バストショット、全身ショット、クローズアップなど、異なるサイズ感で同じシーンを撮っておく。

• 同じシーンを少し長めに撮影しておくことで、後から必要な部分を自由にトリミングできます。

ドキュメンタリーの動画を撮影する場合、重要になるのが時間や場所を意識した映像です。「いつ」「どこで」という情報が映像に過不足なく加わることで視聴者は安心して動画の内容に集中できます。

具体的な映像としては、時計台の文字盤とか、山並みに落ちる夕日、人の影などがあれば時間の経過が表現できます。

動画の舞台となる場所がわかる「街の俯瞰ショット」「土地のシンボルが映り込んだショット」などです。例えば熊本が舞台なら、熊本城や、くまもんが映り込んだ雑踏がワンカットあればOKです。

2. 映像の流れを意識した「つなぎ」ショット

編集でシーンを繋ぐ際、カットが不自然にならないために、「つなぎ」ショットが役立ちます。例えば、場面転換の際に、被写体が部屋を出るシーンや、その場所の環境を映したショットを撮影しておくと、映像の流れがスムーズになります。

Bロール(補足映像)を多めに撮影する。Bロールは編集の際に重要で、場面転換やリズムを作るために役立ちます。

• 場面が変わる際の「ドアを閉める動作」や「視線の移動」など、次のシーンへ繋げやすい動きを意識して撮影。

たまに、ドキュメンタリーなどで、訪問先に向かう人物を追いかけるカメラが、ドアを開けた途端に訪問相手のドアの中から迎え撃つようなショットに切り替わるシーンを見かけることがあります。

これは映画などでは通用する編集方法ですが、ドキュメンタリーでは御法度です。カメラが先回りしてしまうことは現実にはありえないわけで、ドキュメンタリーの信ぴょう性そのものが疑われてしまいます。

3. 音声のクリアさを確保

編集時に音声が乱れていると、映像の流れや視聴者の理解に影響が出ます。特に映像の内容がインタビューや対話を中心にしたものであれば、クリアな音声が不可欠です。

外部マイクを使用して、音声の質を向上させる。

• 周囲の雑音を抑えるために、可能であれば静かな場所で撮影。

• 音声も複数回録音し、いくつかのパターンを確保しておくことで、編集時に最も良い音質のものを選べます。

4. カメラの安定感を大事に

編集で補正できる範囲を超えた手ブレは、映像全体の質を下げてしまいます。特に、急いで撮影した場面や動きのあるシーンで手ブレが目立ちがちです。

三脚ジンバルを使い、カメラを安定させた撮影を行う。

• 手持ちで撮影する場合は、しっかり構えてゆっくりとした動作を心がけましょう。編集でブレを補正するには限界があるため、撮影時に注意が必要です。

5. 撮影の順序やストーリーボードを意識

撮影の順序がランダムだと、編集で場面が混乱しやすくなります。ストーリーボード台本をしっかり作成し、それに基づいて撮影することで、後の編集作業が楽になります。

• どのシーンがどの順番で使われるかを事前に考え、効率的に撮影を進める。

• 撮影の際、必要に応じてナレーションや音楽が入るタイミングも考慮すると、編集時にスムーズに繋げやすくなります。

6. 撮影環境を統一する

編集時に映像の色や明るさがバラバラだと、全体の統一感が崩れます。特に異なる場所や異なる時間帯で撮影する場合は、照明ホワイトバランスを調整して撮影することが大切です。

• 撮影前にカメラのホワイトバランスや露出を適切に設定し、環境ごとの違いを最小限に抑える。

• 異なるシーンでも照明の一貫性を意識し、同じ雰囲気で映像を統一します。

7. 余裕を持ったカット撮影

カットの前後を少し長めに撮影しておくことも、編集しやすさにつながります。映像の最初と最後に「余白」があれば、カットやトリミングが容易にでき、映像の繋ぎが自然に仕上がります。

• シーンの最初と最後に数秒の余白を作ることで、繋ぎやすくなる。

• 動きのあるシーンでは、動き出しや動き終わりの瞬間をしっかりと収めておくことも大切です。

まとめ

編集を意識した撮影を行うことで、後の作業がスムーズに進むだけでなく、映像全体のクオリティも向上します。多くの素材を撮影し、カメラの安定性や音声の質にも気を配りつつ、ストーリーボードや場面転換を意識して撮影を進めましょう。